2020年07月22日

マスク着用のランニングで心肺への負担が増大【コロナ禍でのランニング調査】

人が多い場所では、ゆったりとしたペースでのランニングを推奨

マスク着用が推奨されている社会的距離(ソーシャルディスタンス)を保てない場所でのランニングでは、低~中強度(80%VO2max以下)のゆったりとしたペースでのランニングが望ましいと考えられる。また、高強度のランニング(90%~100%VO2max)を実施する場合は、人混みを避けた上で、マスクを着用しないで行うことを推奨する。

VERSATRパフォーマンススペシャリスト/元東京ヤクルトスワローズ アスレティックトレーナー 橘内 基純 博士(スポーツ科学)のコメント
「年々、健康増進やスポーツを楽しむことを目的にウォーキングやランニングを行う方が多くなってきている中、自粛期間を踏まえてより一層の方が参加するようになったと感じます。楽しさ、快適さ、身体健康の変化を感じることで運動の継続性は高まりますが、一方で呼吸や運動自体の苦しさ、疲労や心理的ストレスなどは返って継続性の低下を招いてしまうでしょう。
マスクを着用した上でのランニングは、心理的な不安や圧迫感に加えて、循環機能に対する影響もあることが今回の結果から推察されると思います。自身や他者への影響も少なく、安全かつ健康的にランニングを継続するためにも、適切な強度やペースを守った上で行うことにより、より楽しく快適さを感じながら続けることができると思います。」

マスク着用の激しいランニングではトレーニング効果が低下 「マスクラン」トレーニングでの効果向上は期待できず
長距離ランニングのトレーニングにおける重要な要素の1つは「最大酸素摂取量(VO2max)の向上」で、100%~120%VO2maxの運動強度が必要。検証結果から分かるように、マスクを着用し呼吸が制限されている状態で、120%VO2maxのトレーニングを行うことは困難であるほか、長時間にわたる継続的なランニングができなくなる。また、呼吸がしにくい状態で負荷の高いトレーニングを行うと、最適な動きではなく無理な呼吸を強制する「代償動作」によるトレーニングを実施することになり、必要以上の疲れや身体の左右のバランスの差が強調されるため、怪我に繋がる可能性がある。このように、マスクを着用した状態での激しいランニングでは、トレーニング効果が上がらず危険なうえ、高地トレーニングのような効果向上は期待できない。

ALTRA(アルトラ)公式HP(日本語):https://altrafootwear.jp/

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