2021年05月15日

「育成年代でのヘディング習得のガイドライン」JFA理事会で報告

幼児期から中学生までを5段階に分け、ヘディング技術を習得・指導指針

日本サッカー協会(JFA)は5月13日、オンラインで第5回理事会を開催。
その中で、4月に策定された『JFA 育成年代でのヘディング習得のためのガイドライン(幼児期~U-15)第一版』について報告された。

スコットランド、イングランドなどのサッカー協会は、プロサッカー選手は一般人より認知症など神経変性疾患で死亡するリスクが3倍以上も高いとする研究結果などを受けて、若年代でのヘディングの禁止と段階的なヘディングの導入のガイドラインを策定。
同様に、アメリカでは子どものスポーツ中の脳震盪についての問題意識が高く、サッカーにおいてはヘディングがその対象となり、練習や試合でのヘディングの禁止や制限がなされるようになった。

JFAでは、リスクを避けるために禁止すると判断することは簡単であるが、「正しく恐れ」、適切な段階的習得により積極的に取り組むことが重要と考え、ヘディングの認知機能への影響を多角的に確認し、リスクを低減した低年齢からの適切な正しい技術の習得が必要として今回のガイドラインを作成した。

ガイドラインでは、幼児期から中学生までを5段階に分け、段階的にヘディング技術を習得するトレーニングの事例や指導指針が記されている。例えば、小学校低学年以下は風船や新聞紙を丸めたボールなどを額に当てた遊びを、小学3~4年生では通常より軽いボールなどを使って自分で額に当てる運動などを、5~6年生からは空中のボールを手で取り合う練習をしながら徐々にヘディングを導入、中学生では体幹や首周りを強化し、軽量ボールや4号球を使ってヘディング技術習得のための反復を取り入れるなど、年代に適した用具やそれを使った練習方法、頻度、注意点などが記載されている。

『JFA 育成年代でのヘディング習得のためのガイドライン(幼児期~U-15)第一版』(PDFファイル)
JFA公式ホームページへ
https://www.jfa.jp/coach/pdf/heading_guidelines.pdf

【JFA の方針】
ヘディングによる頭部への衝撃などが脳機能へ影響するリスクを最大限に配慮し、低年齢からの適切なヘディング技術の習得のガイドラインを示す。
子どものサッカーにおいてヘディングの頻度は低く、ゲームでの最重要の要素ではないが、安全の観点も含めて正しい技術の習得が将来に向け必要である。またコーディネーションの発達、技術習得の観点から、キッズ年代からのヘディング技術習得のためのトレーニングや指導は必要である。
子どもたちの安全を守るために全ての指導者がこのガイドラインを理解し、指導することが大切である。さらに、ヘディングに関わるリスクについてはその科学的な根拠は十分ではないが、今後の医科学的な研究の報告を十分にフォローしながら本ガイドラインはアップデートしていかなければならない。

   

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